ローカルファスト研究所

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2012年09月

2012年09月24日

富山の魅力満載『CREA Traveller』秋号発売

富山市政策参与であり株式会社ローカルファースト研究所の代表取締役関幸子がプロデュースした富山市のシティプロモーション特集記事が、「ココロのカラダも透き通とおっていく富山の旅」と題して、株式会社文藝春秋が発行する『CREA Traveller2012年秋号』に掲載されました。富山市(森雅志市長)と雑誌社の本格的タイアップ型シティプロモーションの仕組みをご紹介しています。

富山市では平成26年開業予定の北陸新幹線延伸に間に合うように、ここ数年富山市の魅力を首都圏にアピールするためのシティプロモーションに力を注いでいる。北陸新幹線の終着駅が石川県金沢市のため、富山市は単なる通過駅になるのではという懸念があった。

そこで、富山市は平成23年度から文藝春秋社と本格的に提携して、多様な媒体を生かしたクロスメディプロモーション事業を展開してきたのでご紹介しよう。

今回のシティプロモーションを展開するにあたって、重要視したことは、富山市の「本物、成熟した魅力」を伝え、滞在型、リピート型のファンを獲得することにあった。

富山市が目指すものとしては以下のとおり。
・ 一過性ではなく、繰り返し訪問してくれる応援団、ファンの獲得
・ 量より質 急激な来訪者増でなく、継続した交流人口の増加(じわじわ、じっくり)
・ 20歳後半~40歳代の女性で人生を楽しみ積極的に旅にでる層及びゆっくり旅したい、加えてお金と時間に余裕ある熟年層



そのために選択した媒体が 
(1) 雑誌 『CREA Traveller』
(2) インターネット 『CREA WEB』(http://crea.bunshun.jp/
(3) 特集号ムック版 『TOYAMAGAZINE』
の三種類である。

それぞれ『CREA Traveller』に掲載された記事をベースとして、インターネット、ムック版に転載をかけるという「ONE SOUCE マルチユース手法」をとっている。



『CREA Traveller』は、年4回の季刊誌で付加価値型の旅を好む層むけの雑誌である。ご存知のように、インターネットの検索エンジンで、情報はいくらでもタダで手に入る時代を迎えている。こうした現状の中で、雑誌の役割はなんだろうか。それは、雑誌独自が持つ、価値観とプロの目を通して編集が加えられ吟味された情報であることとなろう。端的に言えば、選択された付加価値のある情報が詰まっていることにある。加えて、瞬時に膨大な情報が追加されるインターネットには、情報溢れすぎて、本当に価値ある情報にたどり着けないという課題も明確になってきている。『CERA Traveller』が目指すのは、付加価値のある保存すべき情報を掲載して、何年も保存される雑誌となることある。

ベースとなる『CREA Traveller』に掲載する富山市コンテンツの企画は非常に重要となった。まずは今年の3月号では「富山の薬膳できれいになる!」と題して、薬の富山を基本として薬膳を提供するレストランや食事処を紹介するとともに、リゾートホテルでの滞在型スパを紹介した。古くから「薬のまち」として栄え、知られている富山のイメージを最大限に活かし、健康に良く、効能もあるというアピールを行った。

今回の秋号では、富山の3000メートル級の立山連峰に入るのに、富山からが近くて便利であることを前面に出した紙面構成にしている。富山から立山には非常にスムーズに入ることができ、富山駅から麓の立山駅まで電車で1時間、立山駅からケーブルカーと高原バスを乗り継げば、室道まで1時間、合わせて2時間ほどで標高2450メートルの地点まで到達できる。そこではコバルトブルーに輝く「みくりが池」が出迎えてくれる。

下山すればシティライフとしての富山が出迎えてくれる。今回の誌面に掲載された、ANAクラウンプラザホテルでは、特集記事に合わせて、バーテンダーがカクテル「TOYAMA blue」を開発。富山湾の深みのある青の色彩と、ゆずと梅のすっきりとした味が楽しめる逸品にしあがっている。

「薬のまち」と知られる富山は「ガラスのまち」でもある。明治・大正期、富山市は薬瓶製造で全国トップであった。富山市ではその歴史と伝統を基に、20年前にガラス造形研究所を開設し、ガラス作家の育成に力を注いできた。教育機関だけでなく、ガラス造形の体験ができるガラス工房も併設し、新しい富山のブランドとして売り出してきた。

『CREA Traveller 2012年秋号』では、ガラス工房の出身で現在作家として活動を続ける安田泰三氏の作品紹介し、TOYAMA・GLASSの魅力を伝えている。

2つ目のメディアとなるのが『CREA Web』である。『CREA Traveller』での記事を転載するだけでなく、取材したが『CREA Traveller』には掲載できなかった店や場所を紹介している。Web検索でも富山の魅力がヒットされるようしている。
http://crea.bunshun.jp/articles/-/1967

3つ目が、『CREA Traveller』の紙面をまとめて特集したのが『TOYAMAGAZINE』である。今回は16ページだてで1万部を作製した。『TOYAMAGAZINE』は、市役所や図書館などの公共施設で配布されるほか、銀行、美容院、「えきなか」でも広く配布され、雑誌を購入しない層にも広く富山市をアピールすることができる。また、ダイレクトメールとして、首都圏の方々にも送られることで、一層のコアなファンづくりに寄与できるだろう。

今後どの地域でも人口減少と高齢化の中で地域を活性化させるには、交流人口の増加、観光客の誘致が重要となる。その手法として、地域で良い資源を発掘して育てる努力は重要であるが、合わせてその魅力や良さをどのように届けるのか、浸透させるのかという、プロモーションの手法こそが一層重要となってきている。

今回の富山市のシティプロモーション手法は、文藝春秋社という企業イメージ、そして『CREA Traveller』が既に確立した「高級で成熟した」というイメージを背景として活用し、富山市のイメージの向上を狙った作戦である。同時に3メディアを有機的に生かしたクロスメディア作戦と言える。

こうした雑誌社とのタイアップ戦略は、急には効果が出ないが、保全性という付加価値をもつ雑誌の本質が今後、継続して生かされていくことになろう。それこそが、富山市がめざす、じわじわと応援団を耕すことになる。

今回ご紹介した、富山市のシティプロモーション戦略の特徴は、都市圏いわば消費者目線から、地域地銀、観光資源を評価し選定したことにあろう。今後弊社としては、地域資源の発掘とともにその良さや魅力を消費者に伝えていく、プロモーション戦略、地域ブランド戦略への支援を進めていく予定である。
  


Posted by ローカルファースト at 16:58